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息を声に変える仕組み

ボイストレーニングコラム
第4回目

今回は「息を声に変える」、をテーマにコラム書きます。

前回、息の事を少し書きましたが、今回はその息を、いかに声に変えるかです。これがまた難しい。皆さんもご存知の通り、息を出さないと声は出ません。でも息を出しても、声にしなければ、ただの息です。でも皆さんはいつも話している時、普通に声出てますよね?

では、どの様に声になっているのか?肺から気管支を通って息が出ます。その気管支の上のほう(喉)には、声帯がついています。その声帯(声門)が声の高低に応じて強く閉じたり弱く閉じたりします。肺から出てきた息は、声帯を振動させます。そこではじめて蚊の鳴くような音が出ます。その音が口腔や鼻腔、体の共鳴を得て、はじめて声となるわけです。 長い道のりですね。

では先ほど高低によって声門の締りが強くなったり弱くなったりしますと書きましたが、どういうことでしょう?低い声の時は、声門はあまり強く閉まらず、さほど緊張状態にありません。そこに、あまり圧力のない息が肺から出てきます。声帯はゆっくり振動します。逆に高い声は声門が強く閉まり、肺から圧力のある息が出てきます。声帯は、細かく早く振動します。当然周波数が上がり高い声が出ます。

息がないと声が出ない、でも息も適当に出すのではなく、その音域にあった域の圧力というのがあるのです。前回のコラムでハミングで鼻から息を出すの書きましたよね?それを少し思い出してください。高音で喉が苦しくなってきた時、どうしろと書きましたか?少し鼻からでる息のスピードを上げてみてくださいと書きました。それが息の圧力ということです。 …と書いてもなかなか解りづらいですよね?よく、「息をたくさん出すという事ですか?」と聞かれます。 厳密に言うと、たくさん出すわけではありません。逆にたくさん出してはいけません。

まず口で「スー」と摩擦音を出してみてください。次第にその摩擦音を大きくしてみてください。すると自然にお腹が反応し、口に大きな息の圧力がかかっているのが解りますか?摩擦音を大きくするという事は、口で肺から出てきた息をせき止めているという状況を作るという事です。

でも息の圧力が大きいため、せき止め切れず口の隙間から息が出ています。そして、その息が摩擦音を作っています。肺からはたくさん息を送っていますが、口でせき止められて、口から出ているのは少しです。息はたくさん出ていませんよね?この状況が声を出すとき同じ事が声帯でも起こっています。低音を出すときは声門の閉じ方がゆるくそこにあまり圧力のない息がでます。高音を出すときは声門は強く閉じ、そこに肺から圧力のある息がでます(正しく歌えている人ならば)。

もし口で精一杯せき止めて、そこに少量の息しか送らないとどのようになるでしょう?摩擦音は当然でません。しかし声帯では、強く声門を閉じて少量の息の圧力しかなくても声が出てしまうのです。喉の絞まった、「がなった声」がそれにあたります。そして脳は「こうすれば高い音が出た!」と記憶してしまい、毎回高い声を出す度に、喉を絞め、息を止め、声帯をガリガリこする、という悪循環に陥ってきます。 ここまで来ると、もう重症です。息をしっかり流し、声門を適度に閉じ、快適な声を出してくださいね。

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