今回で第8回を迎えましたコラムですが、今回は滑舌のトレーニングです。
実際プロで活躍しているアーティストの歌を聴いても、何言ってるか判らないってこと、沢山ありますよね?それでは折角良い歌詞を書いても、全く意味がありません(ジャンルによってはそんなに歌詞が重要ではないジャンルもありますが)。
ボイストレーニングにおいて、どうすれば舌滑を良くする事ができるか?
滑舌について、まず皆さんが初めに思い付くのはどんなことですか?口角を動かす?口角も大変重要ですが、口角だけいくら動かしても限界があります。では何が問題で、舌滑が悪く聞こえるのでしょう?
実は、「口の中の形」と「舌の位置」にあります。口の中の形は母音の形成に重要で、舌の位置は子音を明確にするのにとても重要です。この2つが上手くできて初めて、舌滑が良く聞こえるのです。
まず「あえいうえおあお」と言ってみてください。「あ」が「あ」と聞こえてますか?自分で聞いてもなかなか判らないと思うので、ICレコーダーなどに一度録音して聞いてみてください。多分純粋な「あ」には聞こえないと思います。まず自分がちゃんと発音出来てないという事を認識してみてください。それを「あえいうえお」すべての母音で試してみてください。
一番多いのが、全て「え」母音に近くの口の中が狭くなってしまって、「あ」と聞こえないタイプです。一度大げさに縦に口をあけて「あ」と発音してみましょう。それをレコーディングして聞いてみてください。また違う響きの声であることに気が付くと思います。
これも個人差がありますので、自分はどれぐらい口を開けると綺麗な「あ」になるのか確認してみてください。これを母音全てについて確認してみてください。
ここから子音の話なのですが、調音点といって、口の中の子音がなるスタートポジションは50音すべて決まっています。
例えば「か」と発音してみてください。口の中の、どこから鳴っているイメージありますか?そう、奥の方。喉の手前をせき止めて開け放つことにより、「か」と発音される、というロジックがあります。
では「し」は?前の方ですね。もう一歩踏み込んで、舌の先端はどこについてますか?正解は、下の歯と歯茎の付け根。
舌が浮いている形でサ行の調音点を取ってしまうと、舌の裏側に空気の層がたまってしまいます。その状態で発音してしまうと、どこか空気がまとわりついたぼやけたサ行になってしまうです。
日本語の50音、全ての正しい位置を体得してください。
歌がうまくなるためには、滑舌強制は欠かせません!