今回は声のポジションの話です。

「声のポジション、なんじゃそら?」と思った方も多いでしょう。しかしこれは歌を歌う上で、大変大切なことです。歌には当然音程がついています。でも音程が高くなったり、低くなったりしているのと同時に、声のポジションも高くなったり、低くなったりしていては、声は安定して出ないのです。

しかし世の中のほとんどの人が、ポジションが滅茶苦茶で、聴いていてこっちが苦しくなってきます。

例えばどういう人か?よくカラオケなどで、高い音にいくと喉を絞り上げて、「あ~」と言っている人。低い音にいくと、下に声を押さえつける人いてませんか?ほとんどの人が、そうなっています。

本来、声のポジションは、高いところに行っても低いところに行っても、同じポジションになければいけないのです。「ドレミファソラシド」と音程は上がっていっても、声のポジションは同じ位置(同じフロアー)にあって欲しい。

上手い人の歌を思い出してみて下さい。上に行っても下に行っても全くポジションが変わりません。例えばマイケルジャクソン。高音も低音も同じポジションです。では、実際どうすればいいのか?

イメージしてください。輪ゴムを切って、一本のゴムにします。そのゴムの真ん中に赤い印を付けます。そしてそのゴムの端を両手で持ち縦にします。まず上にだけ引っ張ってみて下さい(声が普通に高音を出したときです)。

真ん中の赤いしるしはどうなりますか?上に移動しましたね?では上に移動しないようにするにはどうすればいいですか?下にも同じだけ引っ張れば、赤い印は同じ所にとどまります。

この様な作業が、発声の中にも必要なってきます。 上と下両方に広がっていく感じで、高音に行ってみて下さい。ただし声帯の大きさ形によって、自分が安全に出せる高音、低音は異なってきます。

あの歌手がこのキーで歌っているので、自分もこのキーで、というのは絶対にしないでください。これはポジション以前の問題です。いくらポジションが良くても、自分が健全に出せる高音を超えてしまうと、声には多大な負担が掛かってしまいます。

くレッスンで、「せめてA(ラ)まで出るようにしたいです。何とかしてください」と言う人がいますが、これは間違っています。問題は高い声が出るか出ないかではなく、音域です。音域が狭いのは問題ですが、高い声が出ないのは問題ではありません。

声帯が大きい人は高い声は出にくいけれども低い声は出やすいし、声帯が小さい人は高い声は出るけれども低い声が出にくいものなのです。それを無理して高音ばっかり練習したり、低音ばっかり練習するのは、危険です。

ポジションもどっちかに偏ってしまうし、喉も痛めてしまいます。 問題は音域です。この事は忘れないでくださいね。

ミュージックバンカー代表の水谷

音域さえあれば、自分のキーに変えて歌うことができます。

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